もっと楽しくPTAの広報紙を作るには? その5 「余白」を大切に

 昨年、小学校のPTAの広報委員になって、改めて広報紙をじっくりと眺めました。

 最初に思ったのは「疲れる」。
 これには読者目線の「読むのが大変」と、作成者目線の「作るのが大変」の両方の意味が含まれます。

 最大の理由が、ホワイトスペース(余白)がないから。
 写真の間にフリー素材のイラストがびっしり。キャプションも入れていました。その結果、紙面がゴチャゴチャして読みにくくなっているのです。

 一方、作成者も素材をわざわざ探す手間やキャプションを考える時間がかかり、やっぱり大変な思いをしているわけです。

 紙面をすべて文字や画像で埋める必要はありません。
 というよりも、埋めないでください。

 もう一つは、色を使い過ぎないこと。
 色自体にメッセージ性があります。オレンジは元気のよさやはつらつさ、黒には格式、青には清潔感やまじめさといった印象が含まれるのです。

 やたらと色を使うと、やっぱり紙面がゴチャゴチャします。

 フォント(書体)も同様。多種類を使うと、ゴチャゴチャします。

 以下は、私が約1年前に作ったラフレイアウト。
 学校名や人名にはモザイクをかけていますが、オレンジ色の文字のゴチック、黒い文字は太めの明朝、青の文字は標準の明朝を使っています。こうした小さな違いで、紙面の印象は大きく変わります。
ゴチック

明朝

明朝
小さな違いを引き立たせるのが、ホワイトスペース。スペースを埋めるためにがんばらないほうが、実はわかりやすさもアップするわけです。

 なお、上の3つのラフレイアウトはソフトを使っていますが、通常は手で描きます。

 下のラフレイアウトは、薄い冊子を作る仕事で使った手描きのもの。
ラフレイアウトは「設計図」
ワークフローを全員で確認しよう」で述べましたが、ラフレイアウトは、家を建てるときの設計図と同じ。イラストやデザインなどの依頼はラフレイアウトを見ながら進めていくため、いい加減に作ると後で調整が大変になります。

 ラフレイアウトを作れば、写真が何点入るか、文字数はどのぐらいだと収まるのかがわかり、その後の撮影や原稿作成でも無駄がありません。

 広報委員にたくさん写真を撮ってもらうと、掲載しないわけにもいかなくなってしまい、ホワイトスペースを埋めたり写真がとても小さいサイズになったりしがちです。

 ホワイトスペースを確保するために、手描きでもソフトでも何でもかまわないのでラフレイアウトを最初に作り、必要以上に写真などを集めないようにしましょう。

〇もっと楽しくPTAの広報紙を作るには? 

その11 小学校広報紙 作業の進め方マニュアル
https://life-livelihood.blogspot.com/2019/03/blog-post_18.html

その10 電子化しよう
https://life-livelihood.blogspot.com/2019/03/pta10.html

その9 効率化への提言
https://life-livelihood.blogspot.com/2019/02/blog-post_12.html

その8 表記基準を作る
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/08/pta8.html

その7 自分のカードを何枚か用意しておく
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/06/pta7.html

その6 運動会での撮影は「いい写真を撮る」以上に「無難に撮る」ことが大事
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/05/pta5.html

その5 「余白」を大切に
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/04/pta5.html

その4 予算と熱量に応じて作り方を選択
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/04/pta4.html

その3 なくても困らないものだから、自分が楽しくなくちゃ意味がない
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/04/pta3.html

その2 ラフレイアウト作りはお弁当作りの要領で
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/04/pta2.html

その1 ワークフローを全員で確認しよう
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/04/pta1.html

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