「診療」「保証」といった言葉を使うときには免許と根拠が必要

 先日、下の文言が書かれたエステサロンの広告を見かけました。
「マイナス10㎏やせられる」

 「優良誤認表示」に該当する可能性が非常に高いです。
 それ以前に、「マイナス10㎏やせる」は数学的には-(-10)で10㎏太るんじゃないでしょうか。

 さておき、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)で消費者を混乱させる恐れのある表現が規制されています。

 裏付けもなく誤認させるような広告表現を行うことなどは、「優良誤認表示」(第4条第1項第1号)に抵触します。
 「メディカル」という言葉については、医学的に根拠がある施術などを医師が監修・管理していることを示唆しています。そのため、医師の監修・管理がなく「メディカルエステ」などと名乗ることは、景品表示法や、以下で紹介する医師法などに抵触する可能性があります。

 「期間限定」と表示しながら、期間を過ぎても同じ価格でサービスを提供することなどは「有利誤認表示」(第4条第1項第1号)。

 そのほかにも、消費者に誤解を与える可能性があるために指定・禁止されている不当表示が、「その他誤認される恐れのある表示」(第3号)です。
 例えば、根拠がなければ、以下の言葉は広告に使えません。
「完全」「絶対」「永久」「保証」「必ず」「万全」「世界初」「日本初」「世界一」「日本一」「業界一」「当社だけ」「他に類をみない」「抜群」「最高」


 また、医師、歯科医師、看護師等の免許を持たない人の医業・歯科医業は、医師法第17条、歯科医師法第17条そして保健師助産師看護師法第31条などで禁止されています。
 医療機関ではないのに、以下の言葉を広告に使うことは禁じられています。
「医療」「診察」「診療」「診断」
 病名を診断できるのは医師だけなので、接骨院などで「診療中」などの看板を出すのは法律違反。「治療中」は問題ありません。

 ちなみにお灸は自分の体に行ってもかまいませんが、鍼灸師の資格を持たない人が他人の体に行うのは「治療」行為として禁止されています。

 また、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、健康食品(サプリメント)などは、薬機法(医薬品医療機器等法)で広告規制されています。

 これらの法律に関する事例がウェブでたくさん紹介されているので、規模の大小にかかわらず、生業づくりに取り組む前に確認しておくといいでしょう。

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